足底筋膜炎にテーピングは有効か？|名古屋市昭和区御器所の接骨院

2025/06/30

名古屋市昭和区御器所にありますなごみ鍼灸接骨院御器所院です。こんにちは！

「朝の一歩が辛い」「歩き続けると痛む」「長時間の立ち仕事でつらい」──
そんな足底筋膜炎でお悩みの方に朗報です。テーピングは即効性があり、自分で簡単にできるセルフケアとして多くの専門家が推奨しています。

今回は足底筋膜炎（踵や足の裏の痛み）に対してのテーピングについて、名古屋市昭和区御器所駅近くにありますなごみ鍼灸接骨院御器所院の高野がお話しします。

1. なぜテーピングが足底筋膜炎（踵や足の裏の痛み）に有効なのか？

足底筋膜炎（踵や足の裏の痛み）は、足裏の筋膜（足底筋膜）が繰り返し引っ張られたり、荷重がかかり続けることによって生じる炎症です。主に「かかとの前方（踵骨結節）」に負担が集中しやすく、朝起きた直後の一歩や、立ちっぱなし・歩きすぎた後に痛みが出やすくなります。

このような症状に対して、「テーピングはなぜ有効なのか？」その理由を4つの側面から解説します。

① 足底のアーチサポート ─「構造を守る」ための支え

足底筋膜は、土踏まず（アーチ構造）を支えている重要な組織です。
ところが、長時間の立ち仕事、運動、体重の増加などによってアーチがつぶれたり落ちたりすると、筋膜に不自然な引き伸ばし力が働いてしまいます。

テーピングがアーチをサポートすると…

足裏に人工的な支柱（アーチサポート）を作ることができる
歩行時に足底筋膜が必要以上に引き伸ばされるのを防げる
結果的に、痛みの原因となる微細な炎症・断裂の再発を予防

例えるなら「ヘルニアにコルセット」「捻挫にサポーター」と同じように、構造の補助が目的です。

② 圧迫による安定感の向上 ─「余分な動きを制限」して炎症を防ぐ

足底筋膜炎（踵や足の裏の痛み）が悪化する理由のひとつに、「患部の不安定性」があります。
一度傷んだ組織は、その後もちょっとした動き（歩き方・足の着き方）で刺激されやすく、自然な回復が追いつかなくなることもあります。

テーピングの圧迫で得られるメリット

筋膜や靭帯への“揺れ”や“ズレ”を抑えることで、痛みの原因となる再刺激を抑制
軽く圧迫することで、不安定な足元に「しっかり感」をもたせられる
結果的に、足を着く時の恐怖や痛みに対する心理的な安心感もアップ

テーピングは“巻くだけのサポーター”ではなく、構造と機能の両方を整える補助具の役割があります。

③ 神経刺激による痛覚抑制 ─「痛みの感じ方をコントロール」

皮膚に貼るキネシオテープは、表皮や皮下組織をごくわずかに引き上げる効果があります。
これが、痛みの神経（侵害受容器）への刺激の伝わり方に影響を与えるため、痛覚そのものを和らげる神経的効果が期待できます。

神経刺激がもたらす効果

痛みの神経回路（脊髄後角）での痛覚信号をブロックする働き（「ゲートコントロール理論」）
肌への触覚刺激が脳に先回りして伝わることで、痛みの感覚が軽減される
脳が「ここにサポートがある」と認識することで、過剰な緊張を緩める効果も

補足：キネシオテープは「治療テープ」ではなく「神経のフィードバックを整えるテープ」と考えると、その効果がより納得できます。

④ 早期の歩行・活動再開の手助け ─「安心して動ける状態」をつくる

足底筋膜炎（踵や足の裏の痛み）になると、自然と歩き方が偏ったり、足をかばった動作がクセになります。
これが続くと、ふくらはぎや腰、膝にも悪影響が広がる恐れがあります。

テーピングで動作の再学習ができる

正しいアーチを維持しながら歩くことで、本来の歩き方を思い出す効果
テープの存在が「姿勢や動きのフィードバック」を与え、再発防止にもつながる
靴の中でも足のズレを防ぎ、安定して動ける感覚が手に入る

結果として「痛みが和らぐ」だけでなく、「行動を変えられる」という大きな利点があります。

テーピングは「痛みをただ隠すもの」ではなく、回復を促すためのアシストツールです。
正しい方法で貼ることで、再発予防や歩行・運動の改善にもつながります。

2. 必要な道具と準備

用意するもの

伸縮性のあるキネシオテープ（キネシオロジーテープ）：幅2.5cm～5cm程度が理想
固定用ホワイトテープ（市販の医療用ホワイトテープ）
肌の汚れ・皮脂をとるアルコール綿（またはウェットティッシュ）
ハサミ（角を丸く切ると剥がれにくくなる）

テーピング前の準備

足を清潔に洗い、乾燥させる
汗や皮脂をアルコール綿で拭き取る
深呼吸しながら、緊張の少ない状態で自然体に立つ
初めて貼る方は、短時間（15分程度）から慣れを始めるのがおすすめ

3. 基本的なテーピング手順（3パターン）

以下にセルフケアで使いやすい3つの貼り方（基本パターン＋強化パターン＋微調整パターン）を紹介します。

パターンA：基本サポート（アーチサポート）

手順

足裏のアーチ補強
- 足指の付け根からかかとの内側へキネシオテープを引っ張りながら貼る（約10〜15％の伸縮）
かかとの固定
- 1.5cm幅ホワイトテープをかかとを囲むように一周貼り、アーチ部分に重ねる
指先の補強
- 足先からかかとに向かって細く切ったテープを1本貼り、土踏まずを補強

効果

土踏まずを高く保ち、足底筋膜への伸長を抑制
かかとのぐらつきを軽減し、歩幅が安定しやすくなる

パターンB：強化タイプ（全面サポート）

手順（AとBの組合せ）

パターンAを行った後に、
外側から内側へ補助ライン
- 足の外側から内側まで大きくテープを一周貼り、アーチ全体を補強
かかとの誘導サポート
- 小さめテープをかかと中心から外側に向かって斜めに貼る（負担軽減）

効果

前足にも圧がかかり、アーチへの全周的な補強が可能
とくに痛みが強い場合や活動量が多い場合におすすめ

パターンC：微調整（部分サポート）

手順

痛い部位だけを部分的に補強する場合、細かくキネシオテープを切り、局所対応
たとえば、かかとの一部だけ痛む時は、その部分だけを補助ラインでサポート

効果

全体をうっかり圧迫しすぎることなく、快適に使用できる
自分の変化（痛み具合）に応じて柔軟に対応できる

4. 使用上のポイントと注意点

テーピングを長持ちさせる3つの工夫

テーピングは正しく貼っても、剥がれやすくなったり、ずれたりすることがあります。以下のポイントを押さえて、「長持ち＆効果をキープ」しましょう。

① テープの角は「丸くカット」

テープの四角い角は剥がれやすさの原因になります。
ハサミで全ての角を丸く処理することで、靴や靴下の摩擦を受け流し、持ちが大幅に向上します。

ワンポイント：プレカットタイプ（端が丸い既製品）を使うとさらに便利！

② テープを貼った後は「摩擦で密着」

貼ったテープを手のひらで軽くこすって温めると、粘着剤が体温で活性化し、密着力がアップします。
特にキネシオテープは体温接着型が多く、しっかり温めることで浮きにくくなります。

貼った直後に摩擦が甘いと、翌朝すぐ剥がれてしまう原因になります。

③ 貼った後すぐの入浴・洗浄はNG

貼ったテープが皮膚に完全に接着するまでに30〜60分程度かかります。
この間にお湯や水に濡れると、接着前に剥がれてしまう恐れがあります。

貼ったあとは最低でも1時間以上経過後に入浴しましょう。

注意点・肌トラブルを防ぐために

テーピングは便利ですが、誤った使い方や肌質によってトラブルを起こす場合もあります。以下の注意を守って、安全に使用しましょう。

① かぶれ・かゆみが出たらすぐに中止

特に敏感肌やアレルギー体質の方は、長時間の貼付で赤みやかゆみが出ることがあります。
少しでも「赤い」「かゆい」「ピリピリする」と感じたら、速やかに剥がして洗浄してください。

皮膚が弱い方は、医療用低刺激テープを選ぶと安心です。

② 肌保護には「ワセリン」や「保護シート」も活用

テープを貼る前に極薄くワセリンを塗ることで、粘着剤との直接接触を緩和できます。
また、貼る部位に**保護フィルム（テープ下地）**を使うのも有効です。

テープの下に1枚保護レイヤーを作るだけで、皮膚の負担は大きく軽減されます。

③ 貼った後に痛みが悪化したら「過剰圧迫」の可能性

テーピング後にいつもより痛みが強くなる場合、テープの圧が強すぎて血流や動きに支障を与えていることがあります。
一度剥がして、圧を緩めて再度貼り直すようにしましょう。

「ギューッときつく巻くほど効果がある」わけではありません。適度なテンションが基本です。

その他のチェックポイント

項目	内容
テープ交換目安	毎日〜2日ごと（最大でも3日以内に交換）
入浴時の処理	防水シートやラップで一時的に保護可能
剥がすタイミング	違和感・赤み・痛み・剥がれ始めがあればすぐ剥がす
剥がし方	水に濡らしてゆっくり剥がす（皮膚を傷つけないように）