名古屋市昭和区御器所駅近くにありますなごみ鍼灸接骨院御器所院です。こんにちは!
今回は足底筋膜炎についてお話します。
足底筋膜炎(踵や足の裏の痛み)に対するマッサージは、回復を早め、痛みを軽減するために非常に有効な手段です。足底筋膜炎は、足底の筋膜(ファシア)に炎症が起きる病態で、特にかかとや足の裏に強い痛みを引き起こします。マッサージはその炎症を和らげ、血流を改善することで回復を促します。
このブログでは、足底筋膜炎に効果的な足のマッサージについて、名古屋市昭和区御器所にありますなごみ鍼灸接骨院御器所院の高野が解説していきます。

1. 足底筋膜炎とは?
足底筋膜炎(踵や足の裏の痛み)は、足の裏にある厚い靭帯(筋膜)が炎症を起こす病気です。特に踵(かかと)部分に痛みが現れます。炎症によって足底筋膜が伸び縮みしづらくなり、日常の歩行や運動が難しくなることがあります。
主な症状としては、朝一番に一歩踏み出したときの強い痛みや、長時間立った後のじわじわとした痛みが特徴です。この症状が進行すると、歩行の際に常に痛みを伴うことがあり、日常生活や運動に支障をきたします。

2.足底筋膜炎におけるマッサージの重要性とは?
足底筋膜炎とは、足裏の足底筋膜(踵から足指の付け根にかけて扇状に広がる厚い結合組織)に、過度な牽引・圧迫・衝撃が加わることで微小な損傷や変性が生じ、炎症や痛みが引き起こされる疾患です。
この筋膜は、本来「衝撃吸収」「足のアーチ維持」「体重移動をスムーズにする」などの重要な役割を果たしています。しかし、筋膜の柔軟性が損なわれたり、硬く緊張した状態が続くと、負担が一箇所(主に踵部)に集中し、炎症が慢性化するのです。
なぜマッサージが重要なのか?
① 筋膜の柔軟性を回復させる
足底筋膜は非常に張力に敏感な構造です。硬くなった筋膜は、歩行や立位のたびに引き伸ばされ、再損傷や慢性炎症を繰り返す悪循環に陥ります。
マッサージにより筋膜を物理的にほぐし、伸縮性と柔軟性を取り戻すことで、牽引力の分散が可能になり、組織へのストレスが減少します。
② 血行促進による自己修復の促進
慢性化した足底筋膜炎では、局所の血流が低下し、代謝が滞っています。マッサージによって周囲組織に機械的刺激を与えると、血管が拡張し、毛細血管の再開通が起こるため、以下のような変化が期待できます:
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酸素と栄養素の供給が促進される
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炎症物質(プロスタグランジン、ブラジキニン、サイトカインなど)の排出が早まる
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組織修復のための免疫細胞が活性化される
つまり、自己修復能力を高める土壌作りとして、血流促進は非常に重要です。
③ 痛覚の抑制(ゲートコントロール理論)
マッサージによる機械的刺激は、脊髄レベルでの“痛みの抑制”に働きかけます。
この現象は「ゲートコントロール理論」として知られ、太い神経(触覚・圧覚)からの信号が、細い神経(痛覚)の伝達をブロックすることで、脳に痛みが届きにくくなるとされています。
これにより、慢性痛の緩和・脳の過敏反応のリセットが期待でき、結果的に痛みをコントロールしやすくなります。
足底筋膜炎と筋膜リリース
筋膜とは?
筋膜とは、筋肉・骨・神経・血管などの全身組織を覆っている“結合組織の膜”です。足底筋膜もこの筋膜の一部で、全身の筋膜ネットワークの一端として、他の部位とも連動しています。
たとえば:
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ふくらはぎが硬くなる → アキレス腱が引っ張られる
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アキレス腱が硬くなる → 踵の引っ張りが強くなる
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結果、足底筋膜にも牽引ストレスが加わる
このように、「一箇所が硬いだけでも他部位に負担が波及する」のが筋膜ネットワークの特徴です。マッサージでは、この連動性を意識して広い範囲を緩めることが重要です。
硬さの連鎖を断つ:足以外もマッサージ対象に
足底筋膜炎の人は、以下の部位にも硬さや緊張が見られることが多いため、包括的なマッサージ戦略が効果的です:
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ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)
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アキレス腱
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足首(距腿関節)
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大腿部(ハムストリングス)
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骨盤・股関節(腸腰筋、殿筋)
柔道整復師が行う施術でも、局所だけでなく全体のバランスを見るのはこのためです。
3. 足底筋膜炎に有効なマッサージ技術
足底筋膜炎のマッサージは、足の裏に加えて、ふくらはぎや足首にもアプローチすることが重要です。これにより、筋膜全体の柔軟性が回復し、痛みの軽減が期待できます。
3.1 足裏マッサージ(足底筋膜へのアプローチ)
足底筋膜へのマッサージは、足底筋膜の引き伸ばしを促し、筋膜の柔軟性を取り戻すことを目的としています。
足裏マッサージの方法
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足の裏全体を手で揉む
足の裏を両手で包み込むようにして、親指でやさしく揉み込みます。痛みがある部分には軽く圧をかけながらマッサージしますが、強すぎないように注意してください。 -
テニスボールを使ったマッサージ
足裏にテニスボールやゴルフボールを置き、足で転がす方法も効果的です。ボールの硬さが足底筋膜に適度な圧を与え、筋膜のリリースを促進します。 -
指でグリグリと押す
足底筋膜の痛みを感じるポイント(かかとの内側や土踏まず付近)を指で押しながら、円を描くようにマッサージします。痛みを感じるポイントは、筋膜が硬くなっている場所なので、ここを集中的にほぐすことが重要です。
3.2 足首・ふくらはぎのマッサージ
足底筋膜炎は、足首やふくらはぎの硬さとも深く関連しています。これらの部位をリラックスさせることが、回復を早めるためには必要不可欠です。
足首・ふくらはぎマッサージの方法
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ふくらはぎの筋肉を揉みほぐす
ふくらはぎの筋肉を両手で揉みほぐします。特に、アキレス腱周辺やふくらはぎの中央部を中心にマッサージを行います。痛みが強い部分には、優しく圧をかけながら行いましょう。 -
足首の可動域を広げる
足首をゆっくりと上下に動かしながら、足首周りの筋肉を緩めます。痛みが強いときは、無理に動かさず、痛みの範囲で動かすことが大切です。
3.3 自己マッサージとその効果
マッサージは、セルフケアでも十分に効果を発揮します。セルフマッサージは、時間がないときや頻繁に施術を受けられない場合にも有効です。
自己マッサージの方法
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足底筋膜リリース
先ほど紹介したテニスボールを使ったマッサージ方法は、自己マッサージでも取り入れやすいです。足裏をボールで転がしながら、自分の痛み具合に合わせて力を調整します。 -
ふくらはぎのマッサージ
手を使ってふくらはぎを揉むこともできますが、専用のマッサージ器具(マッサージボールやローラー)を使うとさらに効果的です。これらを使うことで、手の届きにくい部分まで効率よくマッサージできます。
4. マッサージの実践方法
マッサージを実施する際には、適切な方法とタイミングを守ることが大切です。
基本的な手順
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温めてから行う
マッサージを行う前に足を軽く温めると、筋膜が柔らかくなり、マッサージ効果が高まります。お風呂やシャワーで温まった後に行うのが理想です。 -
ゆっくりと圧をかける
最初は優しく、圧を少しずつかけていきます。痛みが強い場合は無理せず、痛みを感じない範囲で行ってください。 -
リズムよく行う
マッサージは一定のリズムで行うことが大切です。急いで行うのではなく、ゆっくりと時間をかけて行います。
おすすめのツール
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テニスボールやゴルフボール:足底筋膜をしっかりとほぐすために非常に効果的なツールです。
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フォームローラー:ふくらはぎや足裏全体の広い面積をマッサージするのに向いています。





































